中央中等教育委員会(CBSE) DirectorのDr Biswajit Sahaと意見交換

2022年10月18日、弊社代表の田中はCentral Board of Secondary Education(CBSE) Skill & Trainingのダイレクターである Dr Biswajit Sahaと教育に関する様々な意見交換を行いました。 インドは翌週にディワリという祝日がある忙しい時期にもかかわらず、お時間を頂けたことに感謝いたします。 

◆Central Board of Secondary Education(CBSE)とは? 

中央中等教育委員会(CBSE)は、インドの公立・私立学校を対象とした全国レベルの教育委員会で、インド政府によって管理・運営されています。1929年に政府の決議により設立され、中等教育分野における国家間の統合と協力に向けた試みとして始まりました。
インド国内で27,000校以上、海外28カ国で240校の学校がCBSEの傘下に入っています。日本にあるインターナショナルスクールにも、CBSEのカリキュラムを採用している学校がいくつか存在しています。

 「15 マイル行けば方言が、25マイルでカレーの味が、100 マイル で言葉が変わる」とインドを表現した言葉があるように、 インドの文化、食、宗教、言語などは非常に多様性に富んでいます。

 ちなみにインドの公用語はヒンディー語で、準公用語が英語ですが、その他にも憲法で定められた指定言語がサンスクリッ ト語を含めて 22 もあります。 そのため、同じインド人だとしても州を跨ぐと全く言語が通じないことも多くあります。

 本日のDr Biswajit Sahaとの意見交換の中でも、こうした言語の多様性が教育の現場に与えている影響に関する話が挙がりました。

  インドの学校は、大きく分けて政府系の学校と私立学校に分かれます。 政府系の学校では基本的に地元の言語で授業が行われていますが、私立学校では基本的に全ての教科の授業が英語で行われています。(学校のレベルによっては、現地語と混ぜて授業が行われていることもあります。)

保護者は子どもにより良い教育を受けさせるため、私立に入学させたいと思っている場合が多いです。英語を基本とした学校では、子どもたちは英語で授業を受け、英語の教科書を使い、英語で宿題に取り組まなければなりません。
しかし、中間層以下の親世代の多くは英語を理解できないことが多いです。 その結果、英語が話せない保護者は家庭で子供の勉強をサポートできず、子供の成績や実力を正確に把握できないという問題があるそうです。

 

 こうした課題をインドとしてどのように解決していくのかを、日本の教育システムの話を織り交ぜながら議論できた非常に濃密な時間となりました。

 

 他にも、21世紀スキルを学校のカリキュラムの中で向上させるための施策や、日本とインドの教育者と生徒のより活発な交流を進めるための意見交換を行いました。
貴重なお時間を割いてくださった
Dr Biswajit Sahaに改めて御礼申し上げます。