2023年度、鹿児島県姶良市立帖佐中学校様にて、中学3年生向けに弊社の「国際探究学習プログラム」をご採用頂きました。各教科の先生方のご協力の元、先生方も生徒様も全員が楽しく参加できる全員参加の国際交流、そして21世紀の総合型教育の姿が実現しました。
本プログラムの様子は、東洋経済Education×ICT様でも記事にしてくださっています。
帖佐中学校様では2022年度からこのプログラムのトライアルを一緒に進めて頂いており、本年は総合的な学習の時間で12コマの時間数を取り、本格的に導入して頂きました。
このプログラムは、ICTと英語を活用しながら、日本国内では得られないグローバルな視点で探究を進めるプログラムです。インドに関するオリジナル動画からインドについて多面的に学んだ後、日本や自分の地域に関する動画を作成し、インドへ発信します。
インド人とのオンライン交流や動画へのフィードバックを通して、メタ認知や異文化理解、自己肯定感や意欲の向上に繋げることが可能です。
帖佐中学校様は、1学年7クラスの大規模な公立中学校です。昨年に引き続き、約260人の中学3年生全員にこちらのプログラムに取り組んで頂きました。
参加者の中には、国際交流や英語に強い興味がある人もいますが、元々英語に苦手意識があったり、海外に特に興味がない人も多くいます。昨年の様子を受けて、元々の興味や英語力に関わらず全員が国際交流に参加し、成長の機会とできるよう、今年はプログラム内容をアップデートしました。
その結果、今年は終了後のアンケートで「楽しく学ぶことができた」と回答した人の割合が96.4%となりました。
特に、最上位の「当てはまる」の回答は 昨年:44.2% → 今年:82.9% と大幅に増加しました。
それにより、「今回のようなプログラムにまた参加したい」と回答した人も9割を越えました。
一学年200人を超える公立中学校で9割を超える参加者が交流を楽しみ、国際交流への意欲を持って頂くことができました。
参加者の方・先生へのインタビュー動画は以下からご覧ください。
動画作成・発信
今回のプログラムの中では、ICT機器を活用しながら、日本や自分の地域・学校についてインドに発信する動画を作りました。
海外の人に動画を作って発信し、フィードバックを元に更に更新していくという難易度の高い課題でしたが、グループの仲間と協力し合うことで、全グループ動画を完成させてくれました。
「動画作りは難しかったけれど、友達と一緒に頑張ることができ楽しかった」という感想が多くあり、アンケートでも、「グループのメンバーと協力して学習することができた」という回答が95%を越えていました。
海外の人から動画へのフィードバックを受けることで、普段何気なくやっていること、面倒だと思っていることが、見方を変えると素晴らしい意味があることだと気付かされたという声が出ていたそうです。
また、フィードバックを通して日本では当たり前のことがそうでないことや、日本のことを意外と知らないこと・知ろうとしていなかったことに気づき、「日本文化を知らない相手にわかりやすく伝えるためにはどうするか」という視点で相手の立場に立って探究できるようになりました。
各グループ主体的に工夫を行った結果、9割を超える同年代のインド人生徒が、日本からの動画を「楽しく見ることができた」「日本について新しい情報を知った」「日本について以前よりも興味を持った」と回答してくれました。
グローバルクイズ大会
そして、今年のハイライトとなったのが、最後にインドの学校と行った「グローバルクイズ大会」です。
インドの首都ニューデリーにある私立校、Bal Bharati Public School, Rohiniとオンラインで繋ぎ、日印の先生方や生徒自身が考えたグローバルクイズに日本対インドの国対抗の形で挑戦しました。
クイズに回答するのは、一部の代表生徒だけではありません。クラス全員が順番にその国の代表として画面の前に立ち、クイズに回答していきました。
先生方から出されたクイズは、自国だけではなく相手の国や世界のことも知らないと答えられない問題や、自分の国でも答えを知らないような問題、そして国に関係なく頭を使って考えないとわからないような問題が多くありました。
初めは緊張している表情だった両国の参加者達も、クイズが進むにつれて盛り上がっていき、正解しても間違えてもとても大きな歓声が上がっていました。
どのクラスでも、英語の得意・不得意に関わらず前向きに笑顔で参加している人が多く、交流を心から楽しんでいることが伝わってきました。
実際に、終了後のアンケートでも9割を超える人が「クイズの準備や当日の回答を楽しく行えた」と回答してくれました。
参加者の皆様からは、以下のような感想が寄せられています。
「クイズを通してインドのことを知れたり、少し気持ちがつながったとも思います!楽しかったです!」
「いままで英語は苦手だったけど、この交流を通して英語が楽しいと感じることができました。」
「言葉や文化が違っても、ジェスチャーなども使って話すことができて、仲良くなることができて嬉しかったです。」
「コミュニケーションは苦手でしたが、どんな人とでもコミュニケーションは楽しめるんだと思いました。」
「国境を越えてみんなと笑顔になれたのが嬉しかったし、また交流したいと思いました。高校でもやってほしいなと思いました。」
「インドの人たちと関われて、自分の探究心が向上したと思いました。」
交流を楽しむ中でそれぞれ大事な気付きを得てくれ、自然に今後への意欲が引き出されていました。
インドの参加者からの感想
インド人生徒からも、以下のような感想が寄せられていました。
別の国との交流経験があるインドの参加者にとっても、今回の日本人との交流は忘れられない経験になったようです。
「今回の交流は私の人生で最高の経験の一つでした。このクイズ大会がこれほど素晴らしいものになるとは予想していませんでした。 クイズや日本人との出会いはとても楽しかったです。 日本の文化や人々についても色々なことを学びました。」
「彼らが作ったビデオはとても魅力的でした。 私は彼らから多くのことを学び、今では日本についてもっと知りたいと思っています。」
「ビデオを見て知識を深め、日本人の生徒や日本人の先生からのクイズに答えることができました。 日本人と出会い、そこの文化や宗教などについて知ることができてとても興味深かったです。 この機会を与えていただきありがとうございました!」
先生の声
今回の実践の内容は1月11日の「かごしま教育の情報化フォーラム」にて、帖佐中学校の池田伸吾先生より発表をして頂きました。その様子は南日本新聞にも掲載されたとのことです。
池田先生からは、今年のプログラムについて以下のようにご感想を頂いております。
今年は最後の交流で全員がクイズに答えていくことで、全員が参加した、交流できたと実感しているように感じられました。
高校選びの理由として、「高校でもっと英語を学びたい、もっと色々な人と自信を持って話せるようになりたい」という人が例年よりも多く、探究学習の成果だと感じています。一回のイベントで終わらず、今後も同じように学び続けていきたいと感じられるようになったことが大きかったです。
昨年は英語科での実施でしたが、今年は総合的な学習の時間で取り組んで頂きました。その点についてもコメントを頂きました。
今年度は総合的な学習の時間としての導入だったため、学年の担任・副担任の先生方が関わっていく形となりました。先生方もクイズを作る時に色々な先生と話し合いながら作っており、先生方自身も参加した感覚がありました。誰の質問が採用されたか、子供達の反応なども楽しそうに見ていました。
英語に苦手意識がある先生もいらっしゃるものの、探究的な学習をする時には「教えること」が必要なのではなく、「先生も生徒と一緒に考え、発見ができれば良い」という気付きを得た方もいました。
鹿児島県姶良市立帖佐中学校 英語科 教諭 池田 伸吾先生
池田先生のコメントから、正に今教育の変化として求められていることを実践して頂いたことが伝わってきました。
私たちは「先生が楽しくなければ、生徒が楽しいわけがない」と考え、この考え方の元で様々なプログラムをご提供しています。
今回は「自分自身もこのクイズ大会に向けた準備を楽しめた」と答えてくださった先生が多くいらっしゃいました。先生方が楽しんで準備をしてくださったことが伝わり、生徒の皆様の充実した交流に繋がったと考えています。
また、今回は先生方が生徒様の成長を温かく見守り、応援してくださっている雰囲気も印象的でした。
様々な教科の先生方が子どもたちに様々な角度から働きかけることで、それぞれの内に秘めた力を引き出す、21世紀型の「ホリスティック教育」が実現している姿を見ることができました。このような機会を、公立校を含め、引き続き多くの方へご提供していければと考えております。
今回の実施にあたりご協力いただいた鹿児島県姶良市立帖佐中学校の先生方、そして参加してくださった生徒の皆様に心より御礼申し上げます。
国際探究学習プログラムにご興味のある方は
SHIN EDUPOWER株式会社では、全国の中学校様・高校様に国際探究学習プログラムをご提供しております。オリジナル動画コンテンツやインド人とのオンライン交流のコーディネートの他、学習指導案やワークシートもご提供しており、実践しやすいサポート体制を整えております。お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
Last Updated on 2024-02-14
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